今月は手賀沼通信ブログからの抜粋です。

やはり国民年金は税方式にすべき−2回目の主張 (平成23年3月8日)

 いま主婦年金問題で国会やマスコミが騒いでいます。
 会社員や公務員の妻だった専業主婦が夫の退職時に国民年金への切り替えを忘れると、無年金になったり年金額が減額されることになります。 そんな主婦が100万人以上にもなるというので、厚生省が課長通達で、「2年間の保険料を納めれば、未納だった期間は保険料を納めたことにする」とした救済策を発表し、手続きを始めさせたのです。あのミスター年金の長妻前厚労相が決めたのです。
 ところが切り替えをきちんと行って真面目に保険料を払ってきた主婦と、2年間だけ払った主婦が同じ額の年金を支給されるのは不公平という意見が出てきました。当然です。厚生労働省がまたとんでもないミスをしてしまったのです。正直者が損をする世の中にしてはなりません。そこで細川厚労相はその救済策を撤回しました。ところが細川厚労相はその通達を知らなかったと発言しました。そこに野党やマスコミが食いつきました。
 平成23年3月8日の読売新聞に「主婦年金問題 与野党が協力し立法で救済を」という社説が載りました。「野党側も、この問題を菅政権を追い込む材料に使うべきではなかろう。これまで政権を担当してきた自民、公明両党にも、年金制度の歪みを放置してきた責任がある。救済を後回しにしてはならない」とありました。
 長妻前厚労省がこんな通達を出させたのは、厚労省が年金制度を国民にしっかり知らしめてなかったという弱みを痛感していたからでしょう。私から言わせれば制度そのものがおかしいのです。
 平成20年11月には、社会保険庁が、事業主と結託して、従業員の標準報酬月額を改ざんするという事件を起こしました。社会保険庁は保険料の滞納を少なくしたい、事業主は支払う保険料を安くしたいという、利害が一致して改ざんしたのです。
 国民年金の保険料を消費税を高くして保険料を税金から払うことにすれば、標準報酬月額の改ざんや今回のような主婦が切り替えを忘れて無年金や減額になるということは起こりえません。平成20年12月1日に手賀沼通信ブログで、「やはり国民年金は税方式にすべき」と書きました。
 以前国会議員が年金保険料の未納問題でやり玉に挙がったことがありますが、最近の国民年金保険料の未納率がどうなっているか調べてみました。
 昨年8月に厚労省年金局と日本年金機構が出した「平成21年度における国民年金保険料の納付状況と今後の取組み等について」という資料がありあます。それによると、未納者は約321万人、未加入者は約9万人で公的年金加入者の約5%とありました。そして恐ろしいことに、国民年金保険料の平成21年度の現年度納付率は、60%で、前年度より2.1減っているとなっていました。未納率は実に約40%です。
 国民年金保険料は、自営業者、会社員や公務員の妻以外の主婦、学生などいわゆる第1号被保険者が払う保険料です。会社員や公務員は入っていません。またその妻は保険料は免除されています。
 私の意見は、国民年金保険料と会社員や公務員がはらう被用者年金の保険料の基礎年金の部分を消費税で賄うということです。あえて2度目ですが、「やはり国民年金は税方式にすべき」と言います。これは多くの年金の専門家も同じことを主張しています。

今こそサマータイムを実施すべきだ (平成23年4月2日)

 福島原発をはじめ東日本大震災の被害で東京電力や東北電力の供給能力が減り、この夏には電力不足が危機的になると予想されています。東京電力はこの夏には大規模な計画停電を実施せざるを得ないと主張しています。
 日本経団連は平成23年3月31日、震災復興特別委員会でこの夏に向け、業界や企業に自主的な節電計画を4月中に作るよう求めました。たとえば2週間の夏季休暇、週休3日制、工場に休業日をずらす輪番制、オフィスの冷房時間の短縮などです。
 私は2007年5月21日のブログに、「日本でもサマータイムを実施しよう」と書いたことがあります。再度声を大にして言います。電力節約のため今こそサマータイムを実施する時だと。
 欧米各国は、3月の最終日曜から10月の最終土曜日まで時計を1時間進めるサマータイムを実施しています。サマータイムはデイライトセービングタイムともいわれ、その効果は
・省エネにつながる。
・地球温暖化が防げる。
・余暇時間が増え、経済が活性化する。
・交通事故や犯罪の発生が少なくなる。
といわれています。
 今こそ省エネの時期です。政府が強力なリーダーシップを発揮してぜひサマータイムを導入し、消費電力を下げるよう努力してほしいと思います。
 千葉市の日の入りと日の出の時間を調べてみました。
・3月27日(今年の3月最終日曜)
 日の出  5時34分
午前の日照時間 6時間26分
 日の入り 17時57分
午後の日照時間 5時間57分
・6月22日(夏至)
 日の出  4時25分
午前の日照時間 7時間35分
 日の入り 18時59分
午後の日照時間 6時間59分
・10月29日(今年の10月最終土曜)
 日の出  5時59分
午前の日照時間 6時間1分
 日の入り 16時48分
午後の日照時間 4時間48分
 つまり関東の人間は朝の明るい時に寝ている時間が多く、せっかくの明るさを無駄にしているのです。暑くなってから起きるため、冷房の電力も多く必要になります。この理由は日本時間が兵庫県明石市あたりの経度を基準にしているためです。地震の被害を受けた東北や関東はサマータイムの恩恵を十二分に受けることができます。
 時計を1時間早めるサマータイムは電力節約の切り札です。ぜひ実施すべきでしょう。

思い出の震災ローカル線 (平成23年5月7日)

 平成23年4月29日に東日本大震災で止まっていた東北新幹線が全線復旧しました。待ち遠しかった明るいニュースでした。
 ところが被害の大きかったローカル線はまだ復旧していません。思い出の残るローカル線について調べてみました。
 ・JR常磐線
  福島県四ッ倉駅−宮城県亘理駅 不通
  四ッ倉駅−九ノ浜駅 5月中旬運転再開の見込み
  九ノ浜駅−亘理駅 運転再開の見込み立たず
 ・ひたちなか海浜鉄道
  茨城県勝田駅−阿字ヶ浦駅 不通
       7月中旬復旧見込み
 ・JR仙石線 宮城県東塩釜駅−石巻駅 不通
       復旧見込み立たず
 ・三陸鉄道 北リアス線
  小本駅−陸中野田駅 不通
  南リアス線 全線不通運転再開のめど立たず
 常磐線は上野まではいつも利用していますが、仙台方面は仙台に赴任していた頃何度か利用したことがあります。ひたちなか海浜鉄道は昨年ゴールデンウィークにひたち海浜公園に行った時の初めて乗りました。仙石線は仙台時代に時々利用していました。三陸鉄道は昨年10月東北の沿岸を巡るツアーで利用しました。
 いずれも早く復旧してほしいと願っています。

平泉と小笠原諸島が世界遺産に (平成23年5月13日)


 平成23年5月7日、岩手県平泉町の中尊寺などの「平泉」が世界文化遺産に、東京都小笠原村の「小笠原諸島」が世界自然遺産に登録されることが決まりました。ユネスコの諮問機関が世界遺産登録を勧告したのです。正式には6月下旬パリのユネスコ本部で開かれる世界遺産委員会で決定されます。
 これで日本は4つの自然遺産と12の文化遺産、合計16の世界遺産を持つことになりました。
 登録順に並べると次のようになります。
1 法隆寺地域の仏教建造物(1993年)
2 姫路城(同年)
3 屋久島(自然遺産)(同年)
4 白神山地(自然遺産)(同年)
5 古都京都の文化財(1994年)
6 白川郷・五箇山の合掌造り集落(1995年)
7 原爆ドーム(1996年)
8 厳島神社(同年)
9 古都奈良の文化財(1998年)
10 日光の社寺(1999年)
11 琉球王国のグスク及び関連遺跡群(2000年)
12 紀伊山地の霊場と参詣道(2004年)
13 知床(自然遺産)(2005年)
14 石見銀山遺跡とその文化的景観(2007年)
15 平泉の文化遺産(2011年)
16 小笠原諸島(自然遺産)(同年)
 平泉は2008年に登録が見送られており、再挑戦で世界遺産に登録されることになりました。東日本大震災で被害を受けた東北を元気づけるニュースになりました。
 文化庁は次の候補として下記の10件を「暫定リスト」に載せています。暫定リストはユネスコに申請され受理されています。次はどこが推薦されることになるのでしょうか。
・古都鎌倉の寺院・神社
・彦根城
・富士山
・富岡製糸場と絹産業遺跡群
・飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群
・長崎の教会群とキリスト教関連遺産
・国立西洋美術館本館
・北海道・北東北の縄文遺跡群
・九州・山口の近代化産業遺産群
・宗像・沖ノ島と関連遺産群

セントラルリーグも指名打者制を採用すべし (平成23年6月10日)


平成23年6月10日現在、プロ野球はセ・リーグとパ・リーグの交流戦が行われています。交流戦は別のリーグの6チームと4試合ずつ行います。したがって1チームの合計試合数は24です。現在2チームを除いて18試合を終了しているので、ほぼ4分の3の日程を消化したことになります。ここまでの成績はセの41勝、パの59勝、引き分け7となっています。パリーグの圧勝です。
 交流戦が始まったのは2005年です。昨年までの成績はパ・リーグの5勝1敗です。過去6年間の交流戦優勝チームはすべてパ・リーグのチームです。このような結果を見ると、リーグ全体としてはパ・リーグの方が実力は上といってもいいと思います。
 これはパ・リーグの指名打者制が実力向上につながっていると私は考えています。
 本場アメリカのメジャーリーグでは、1997年からインターリーグ戦が行われています。アメリカはチーム数が多いため、日本のように別のリーグの全チームと対戦するわけではありませんが、インターリーグは日本の交流戦のお手本です。 アメリカではアメリカンリーグが指名打者制を採用しており、ナショナルリーグが採用していません。本場でもインターリーグの通算成績は、2010年までにアメリカンリーグの1808勝、ナショナルリーグの1652勝となっています。2004年から7年連続でアメリカンリーグが勝ち越しています。
 日米共通で指名打者制のあるリーグが勝ち越しているのです。
 ここで指名打者制の効果を見てみましょう。私の独断が入っているのはお許しください。
 まず投手に与える効果です。投手の完投能力が向上します。
 今年の6月9日までの両リーグの投手の完投数を比較してみましょう。
        全試合 交流戦
・パ・リーグ  36   15
・セリーグ   12    7
 パ・リーグが圧倒的に多いです。指名打者制では投手は打席に立つことはありません。投げることに専念すればいいのです。セ・リーグでは負けている時や接戦の時に投手に打席が回ってきた場合、ピンチヒッターに替わることが多いのです。せっかく好投していても替えられます。9回を投げ抜くチャンスが減り、スタミナや完投能力が養われません。皮肉なことに交流戦ではセ・リーグの投手も完投の割合が増えました。半分は指名打者制の試合があるからです。
 次に攻撃に対する効果です。チーム打率が向上します。
 6チームの平均チーム打率
・パリーグ 0.247
・セリーグ 0.239
 個人別の成績はそれほどの差は出ませんが、投手が打席に立たない分チームの成績には差が出ます。
 指名打者制のその他の効果には次のような点が考えられます。
・出場できる選手が一人増えるため選手が育つ。ピンチヒッターで出るより、常時出場すれば鍛えられる。
・スリリングな場面が増える。投手が打席に立つとき、最初から打つのをあきらめるような投手がいる。指名打者制ではそんな場面はない。
・選手生命が延びる。高齢になると足や肩が衰えて出場機会が減るが、守備機会のない指名打者なら活躍できる選手がいる。メジャーリーグの松井、晩年の張本、清原などは指名打者で活躍した。
 本来の野球ということからすると、指名打者制は邪道かもしれません。少年野球や高校野球や大学野球は指名打者制には抵抗があると思います。
 しかしお客さんを喜ばせるプロ野球では、楽しい野球、強い野球が求められます。指名打者制が野球を強くすることは、パ・リーグやアメリカン・リーグを見れば明らかです。
 今までのいきさつとか、野球本来の姿などにこだわらず、セ・リーグも指名打者を採用してほしいと思います。今のままだと、ますますいパ・リーグに差をつけられるでしょう。

高速道路利用料金制度の変更でよかったこととよくなかったこと (平成23年6月20日)


 平成23年6月20日午前零時、高速道路の利用料金制度の変更がありました。
 土・日・祝日の高速道路利用料金上限1000円の割引制度と全国37路線50区間の無料化の社会実験が中止になりました。同時に東北地方などで被災者の高速料金無料化がスタートしました。
 上限1000円の割引制度と無料化の社会実験中止は大変よいことだと思います。
 上限1000円割引制度は2009年3月自民党の麻生政権が景気対策として導入しました。日本の交通システム全体のことを考えて始めたことではなく、定額給付金と同様に人気取りと次の選挙にそなえたために始めた感じでした。ところが、この制度は鉄道、バス、フェリーなどの業界に深刻な影響を与えました。また休日の高速道路の渋滞を増加させました。なによりも国民の税金を高速道路利用者だけに使うという不公平を生みました。
 これに対抗して民主党は選挙公約に「高速道路原則無料化」をかかげました。政権をとった民主党は無料化の公約をはたそうとしましたが財源がありません。当然です。選挙に勝つため、財源のことなど考えずに作った公約だからです。そこで2010年6月、全国37路線50区間で無料化の社会実験を始めることでお茶を濁したのです。
 この無料化実験は無料化された高速道路沿いの一般道路沿線の商店、食料品店、食堂などに深刻な影響を与えました。お客さんが減ったのです。そしてこれはまた国民の税金の無駄遣いを増加させました。
 私のような高齢者にはどちらの制度も全く無縁でした。休日に車で遠出をすることなどなかったのです。税金の無駄遣いにいらいらが積もっていました。
 2つの制度が無くなったことは大歓迎です。
 ところが同時に始まった被災者無料の割引制度はかならずしもよい制度とは言えないようです。
 6月20日の読売新聞には、「迷走する高速無料化」「被災者無料 効果は不透明」「車失った男性 『まったく関係ない』」との見出しが出ていました。
 通行無料の措置を受けるためには、自治体の発行する罹災証明を見せる必要がありますが、それでなくても手の足りない自治体の仕事が増えます。そのため岩手や茨城では、罹災の有無に関係なく証明書を出す自治体があるようです。深刻な罹災者ほど高速道路を利用する機会がないとも言われています。
 日本の財政は赤字が増え続けています。復興に使われるお金は本当に必要なところに使ってほしいと願ってます。

inserted by FC2 system