6か月に1回の手賀沼通信ブログよりの抜粋です。今回は映画とテレビドラマについてのブログを中心にまとめてみました。

歴史上の人物2人の映画を見る(平成24年2月10日)

 平成24年2月1日映画「聨合艦隊司令長官山本五十六」を、1週間後の2月8日に映画「エドガー」をMOVIX亀有で見ました。
 柏駅近くのステーションシアターが閉館し、柏駅周辺からは映画館が姿を消しました。柏市のMOVIX柏の葉に行くには電車を3本乗り継ぐか、車で片道30分かける必要があります。
 MOVIX亀有は東京都内に行く途中で下車して立ち寄れるので、交通費をかけないで行くには便利です。今回はいずれも東京都内での飲み会の途中でした。閑話休題‥‥
 2本の映画はいずれも歴史に名を残した人物です。
 山本五十六は聨合艦隊司令長官として太平洋戦争の開戦となったハワイ真珠湾攻撃を指揮した人物です。
 ジョン・エドガー・フバーはFBI(アメリカ連邦捜査局)の初代長官で、1924年から亡くなる1972年まで48年間にわたって長官を務めた人物です。
 2本の映画は人物の描き方が対照的でした。
 山本五十六の映画は成島出監督、山本五十六役は役所広司が演じていました。
 物語は1939年日・独・伊の三国同盟をめぐる国内論争から始まります。聨合艦隊司令長官となった山本五十六はアメリカとの戦争にはあくまで反対でしたが、時の流れは日米開戦に突き進みます。ハワイ真珠湾攻撃を指揮した五十六はミッドウェー海戦で敗れます。ソロモン諸島を飛行機で視察の途中、アメリカの戦闘機に待ち伏せされ戦死します。映画はほぼここまでです。

 五十六は開戦に反対し、戦争の途中では講和を模索した平和主義者として描かれていました。また軍人としては、真珠湾攻撃が中途半端で終わったのも、ミッドウェー海戦が敗北したのも、五十六の責任ではなく、永野軍令部総長や部下の南雲中将の責任と描かれていました。五十六は完ぺきな人間となっていました。
 しかしミッドウェー海戦で聨合艦隊が苦戦している時に部下と将棋を指している場面がありましたが、本当なら軍人としては失格と思いました。

 エドガー・フーバーの映画はクリント・イーストウッド監督、レオナルド・ディカプリオ主演でした。
 物語はエドガーがFBIに入る若い時から始まります。ところが若い時代と、自分の伝記を書かせている時代や、携わったいろいろな事件、とくにリンドバーグの子供の誘拐事件などの時代などが複雑に入交り、ついていくのが大変でした。
 主人公のエドガーについてはかなり突き放した描き方でした。功績として犯罪捜査に科学的な手法を導入したくだりがあると思えば、リンドバーグ事件ではほら吹きとなっていたり、マザコンや同性愛者としての場面も出てきます。有名人に対する盗聴も描かれていました。フーバーが病死するところで映画は終わりでした。
 映画としては「山本五十六」は面白かった割には五十六がきれいに描かれすぎてやや物足りない感じがし、「エドガー」はついていくのが大変だった割には映画のすごさを感じさせられました。

TVドラマ「運命の人」のモデルとキャスト(平成24年2月16日)

 現在TBS系でTV連続ドラマ「運命の人」が放映されています。これは山崎豊子の同名の小説をドラマ化したものです。
 小説「運命の人」は、1972年の沖縄返還に際して、日米間の密約問題がその新聞報道をめぐって外務省の機密漏えい事件にすり替わっていく経過をモデルにしたものです。
 山崎豊子は戦後史を問い続ける作家で、小説「沈まぬ太陽」では、日本航空と御巣鷹山での日航機墜落事件をモデルにして大ヒットしました。
 TVドラマ「運命の人」では、「この物語は実在の団体や人物とは関係ありません」との字幕が出ますが、小説「運命の人」には、「この作品は、事実を取材し、小説的に構築したフィクションである」と書かれています。
 事実を取材したということはモデルがあると解釈できます。私が勝手に推理したモデルを書いてみます。私の独断で何の保証もありませんが、名前と当時の状況から推測したものです。
<ドラマでキャストが分かっている人物>
 登場人物  モ デ ル  俳 優 
・弓成亮太西山太吉本木雅弘
・山部一雄渡辺恒雄大森南朋
・三木昭子蓮見喜久子真木よう子
・佐橋慶作佐藤栄作北大路欣也
・田淵角造田中角栄不破万作
・小平正良大平正芳柄本明
・福出赳雄福田赳夫笹野高史
・曽根川靖弘中曽根康弘本田博太郎
・横溝宏横路孝弘市川亀治郎
・愛川輝一愛知揆一大和田伸也
・十時正春後藤田正晴伊武雅刀
・安西審議官安川審議官石橋凌
・吉田孫六吉野文六升毅
・大野木正大野正男柳葉敏郎
・毎朝新聞毎日新聞
・読日新聞読売新聞
・旭日新聞朝日新聞

東日本大震災から1年がたった(平成24年3月11日)

 平成24年3月11日の今日から1年前の14時46分に東日本大震災が起きました。
 今日は全国各地で追悼の式典が行われました。また新宿や渋谷など都市の繁華街でも、震災発生時刻に、通りがかりの人が黙とうしているニュースがテレビに映されていました。
 新聞にもテレビにも1日中、東日本大震災関連の特別報道があふれていました。
 1年後の被災被害の状況が読売新聞に出ていました。
 ・死者 15,854人(下と合計19,009人)
 ・行方不明 3,155人
 ・避難者 343,935人
 ・がれき 2,253万トン
 私は地震発生2か月後まで、毎日の新聞を保管していました。5月11日の読売新聞の記録です。
 ・死者 14,949人(下と合計24,829人)
 ・行方不明 9,880人
 ・避難者 117,085人
 死者と行方不明者の合計で今日の数字が発生2か月後の数字より減っているのは、発生2か月後は現場の混乱や重複などがあったためでしょう。
 ところが避難者の数字は震災発生2か月後より今の方が3倍ほど多くなっています。原発事故で避難者が増えたためなのでしょうか、それとも2か月後の時点では避難者の数字を正確につかみ切れていなかったためでしょうか。
 あれから1年経ちましたが被災地の復興が進んでいません。いろいろな原因があるようです。
 その第一はがれきの処理が遅れているためです。現地だけでは処理できないため、他の自治体が協力する必要があるにもかかわらず、なかなか引き受けてもらえないようです。
 戦後、日本人の美徳であった我慢とか辛抱がなくなりました。同じように助け合いとかお互い様の精神もなくなってきたのでしょうか。
 国の対応も現地の声を的確につかんでいないようです。縦割り行政、提出すべき書類の多さ、スピードの遅さ、不十分で片手落ちの援助など相変わらずのお役所の仕事ぶりです。政治も政治家も頼りになりません。
 しかし日本人は優秀な民族です。戦争で廃墟と化した国土を復興させた実績があります。
 国民一人一人が持てる力を出し合えば必ずより良い日本になるはずです。制度の悪いところは改革し、駄目な人には辞めてもらい、お互い助け合いながら、みんなが自分を信じて努力すれば新しい日本が生まれるはずです。

小惑星探査機「はやぶさ」の映画3本を見た(平成24年4月2日)

 小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトを描いた映画3本を見ました。
 2月19日に柏市民文化会館で「はやぶさ/HAYABUSA」を、
 3月9日にMOVIX亀有で「はやぶさ 遥かなる帰還」を、
 3月29日にMOVIX柏の葉で「おかえり、はやぶさ」を見ました。
 2003年5月9日、鹿児島宇宙空間観測所から「はやぶさ」が打ち上げられます。小惑星イトカワから星のかけらを持ち帰るためです。ところが「はやぶさ」は何度もトラブルに見舞われます。
 2005年「はやぶさ」はイトカワに着地を試みますが最初は失敗、やり直して何とか成功しますが、機体を損傷して交信不能となり広大な宇宙をさまようことになってしまいます。
 JAXA(宇宙航空研究開発機構)スタッフが絶え間ない交信の試みを継続します。そしてやっと行方を突き止めることができますが、今度はイオンエンジンの一部が故障、帰還できなくなる可能性が強くなります。
 JAXAスタッフは「絶対にあきらめない」を合言葉に懸命にアイデアを出し合います。
 そして2010年6月13日、「はやぶさ」は7年間60億キロの旅を終え、オーストラリアの荒野に戻ってきます。「はやぶさ」本体は地球再突入の際燃え尽きてしまいますが、持ち返ったカプセルは無事に回収され、のちにイトカワのかけらが中にあることが確認されます。

 このような事実を3本の映画はそれぞれの角度から描いていました。
1.「はやぶさ/HAYABUSA」
 ・軽いコメディタッチで始まるエンターテインメント作品
 ・感想:最初だったので楽しく興味を持って見られた
 ・監督:堤幸彦
 ・出演:竹内結子、西田敏行、高島政宏、佐野史郎、山本耕史ほか
2.「はやぶさ 遥かなる帰還」
 ・NHK番組のプロジェクトXタイプの作品
 ・感想:迫力と感動は一番大きかった
 ・監督:瀧本智行
 ・原作:山根一眞
 ・出演:渡辺謙、山崎努、吉岡秀隆、江口洋介、夏川結衣ほか
3.「おかえり、はやぶさ」
 ・松竹のホームドラマタッチの作品
 ・感想:3Dで見たので3D映像のすばらしさが実感できた
 ・監督:本木克英
 ・出演:藤原竜也、三浦友和、大杉漣、中村梅雀、杏ほか
 同じプロジェクト(事件)を扱った映画をほぼ同時期にみたのは初めてです。大変印象深い体験でした。どの映画もすばらしい出来でした。

東京スカイツリーが開業(平成24年5月23日)

 平成24年5月22日正午に東京スカイツリーが開業しました。
 スカイツリー社の発表によると、当日タワーに上ったのは約9000人、「東京ソラマチ」を合わせると来場者数は約21万9000人に上ったそうです。夜7時にはカウントダウンとともにライトアップが行われました。
 前日の5月21日は金環日食で日本全国がわきましたが、22日は東京スカイツリーで東京とマスコミが興奮した一日でした。
 あいにくの雨で、下から見たスカイツリーの上部は靄に包まれていました。スカイツリーの地上350メートルの天望デッキや450メートルの天望回廊からも視界はあまり効かなかったようです。ただ夜になると夜景が美しく見えたようです。
 ツリーの個人入場券は7月10日までは完全予約制でほぼ完売状態のようです。7月11日からは当日券が発売されます。

 東京スカイツリーの概要です。
 ・高さ:634メートル(タワーとして世界一)
 ・天望回廊:450メートル 900人収容
 ・天望デッキ:350メートル 2000人収容
 ・工期:2008年7月14日〜12年2月29日
 ・作業員:延べ58万人 1日 500〜1200人
 ・総工費:約650億円
 ・底辺:1辺68メートルの正三角形
 ・基礎の深さ:50メートル (東京タワー23メートル) 
 ・鉄骨:最大直径2.3メートル 厚さ10センチ
 ・重さ(地上本体):約4万1000トン (東京タワーの10倍)
 ・エレベーターの速さ:分速600メートル (地上〜天望デッキ)

大河ドラマ「平清盛」の視聴率が最低の理由を考えて見た(平成24年6月27日)

 平成24年6月24日に放送されたNHK大河ドラマ「平清盛」の視聴率が、関東地区で10.1%まで下がりました。これは過去最低だった1994年8月14日の「花の乱」の視聴率と同じ数字です。
 関西地区では6月3日に9.2%と最低の記録になりました。ワールドカップのアジア最終予選日本−オマーン戦と重なった影響もありましたが、関西を舞台にした平清盛のドラマが1桁の視聴率というのは異例のことと報道されていました。
 鳴り物入りで始まった「平清盛」が視聴者に受けない理由を考えてみました。理由はいっぱいあります。

1.面白くない
 ・主役の平清盛がヒーローとして描かれていません。今まで大河ドラマの主役は強く、凛々しく、聡明で、人
  を引きつける魅力ある人物として登場しました。ところが平清盛は視聴者の共感を呼ぶような人物には
  描かれていないのです。
 ・主役の松山ケンイチには痛快感、爽快感、知性が感じられません。笑顔もありません。ミスキャストでは
  ないでしょうか。
 ・大河ドラマには毎回ヤマとなるような盛り上がりがあるのですが、今回のドラマにはそれが欠けています。
  会話がやたらに多く、ストーリーの展開が阻害されています。
 ・腹黒い人物、意地悪な人物ばかり登場するような印象を与えています。

2.分かりにくい
 ・登場人物が多すぎ、その関係が複雑で、解説書がなければ理解できません。
 ・宮中、公家、武家とも同じような名前が多いため、区別がつきにくいのです。
 ・誰が誰の味方で、誰が敵なのかなかなか理解できません。人物がしっかり描かれていないのです。
 ・画面の転換が唐突で、今どこが舞台なのかわからなくなります。
 ・もっとナレーションを入れて、視聴者に親切なドラマにする必要があります。

3.画面が暗く、汚い
 ・リアリズムを狙ったせいか、画面が暗く汚い感じを与えます。鮮やかさがありません。
 ・昨年の大河ドラマ「江」はきれいすぎるという批判がありました。それを意識したかどうか分かりません
  が、汚いよりはきれいな方が視聴者には好まれます。人気の韓国ドラマはどれも画面がきれいです。

4.テンポが遅い
 ・ドラマは平清盛の一生を描くのでしょうか。清盛が高熱で死んでしまうまでなら中途半端なドラマで終わっ
  てしまうように思います。今のテンポではとても平家の滅亡まではたどり着けません。
 ・テンポの遅さにはイライラします。楽しくない場面を延々と見させられる視聴者はたまったものではありま
  せん。平忠正と源為義が清盛と義朝に首を打たれる場面ではスローテンポにばかばかしくなってしまいま
  した。

5.脚本が悪い。音楽も悪い。
 ・今まで原作のない脚本家のオリジナル脚本の大河ドラマは一部を除いて人気が出ていません。今回も藤
  本有紀のオリジナル脚本ですが、力不足でちょっと荷が重すぎた感じです。
 ・大河ドラマの音楽は「赤穂浪士」のテーマミュージックをはじめとしてすぐれた音楽が多くあります。今回の
  吉松隆の音楽は特徴のない音楽となっています。聞いていて楽しくありません。
 今まで我慢して見てきた感じでは、「平清盛」はどんなドラマにするかというテーマがないまま大河ドラマにしたように思います。視聴者に訴えるものがありません。楽しんで見るようなものでもありません。
 おそらく年間の平均視聴率も、最低だった「花の乱」の14.1%をはるかに下回る視聴率になるのではないかと危惧しています。

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