あけましておめでとうございます
今年も手賀沼通信をよろしくお願いいたします

 昨年11月25日から28日まで妻と国内を旅行しました。
 道後温泉の旅館で妹とその息子に直接会って話をする必要があったので、そのついでに宮島と金刀比羅神宮を観光してみようと出かけました。
 その旅行で感じたことをまとめてみました。一風変わった旅行記になりました。なかには皆様がすでにご存じのこともあると思いますがお付き合いください。
 
 例によって日記風の旅行記を昨年12月の手賀沼通信ブログに4回に分けて掲載しております。

宮島・道後温泉・金刀比羅宮の旅

1.ツアーとひと味違う手作り旅行
 ツアーと手作り旅行にはそれぞれいいところと悪いところがあります。
 ツアーのいいところは
・日程やコースなどについて自分で考えなくてもよい
・切符や宿の手配が要らない
・時間を無駄にせず効率よく観光できる
・高級なツアーを除くと料金が安い
・荷物をバスに置いたまま観光できる
・乗換えや乗り物の待ち時間が少ない
・ガイドの説明がある
 手作り旅行のいいところは
・日程やコースを自由に設定できる
・乗り物や旅館を自由に選ぶことができる
・好きなところで好きなだけ時間を使える
・好きなものを食べることができる
などです。

ツアーのいいところと手作り旅行のいいところとは通常相反することになります。

 今回の旅行は3泊4日の完全な手作り旅行でした。
 利用した交通機関は、新幹線2回、電車/列車11回、路面電車2回、バス3回、フェリー2回、高速船1回、ロープウェイ4回、タクシー2回とバラエティに富んでいました。それだけ乗るということは、乗る前にほぼその回数だけ待つということになります。バスで回るのが一般的なツアーに比べると、効率はかなり落ちます。
 その代り妻の願いを二つともかなえることができました。
(画像のクリックで拡大表示)
 一つは宮島に泊まることです。以前中国地方にツアーで行った時、宮島ではゆっくりできませんでした。今回は宮島に宿をとり、宮島ロープウェイに乗ったり、ライトアップした厳島神社の大鳥居を見ることができました。
 もう一つは潮が引いた大鳥居まで歩いて行くことです。これもかないました。

 道後温泉に泊まった翌日には、実家だった妹の家に立ち寄り、妹の家族と再会して、お墓参りをしました。これも今回の旅行の目的の一つでした。

2.手作り旅行はネット利用が「かぎ」
 手作り旅行は自分で日程を組み、必要な手配をしなくてはなりません。これにはインターネットが最大の武器になります。
 宿は楽天の旅行のサイトから妻が選んで予約しました。宮島の予約が紅葉のシーズンにかかっていたため一番苦労しました。
厳島神社の回廊 (画像のクリックで拡大表示)
 楽天のサイトから予約すると、宿やホテルの料金は割引料金になっているようです。高松では「JRクレメントホテル」を使いましたが、ジパング倶楽部のカードを見せても楽天での予約の方はだめと断られました。
 ルートは時刻表とネットを見ながら私が作りました。交通機関はネットで調べる方が詳しく出ており、必要なコピーも簡単に取れます。路面電車やローカルバスの発車時刻も分かります。
 大鳥居の干潮、満潮の時刻もネットで調べました。金刀比羅宮の石段の途中まで行く「参拝登山バスしあわせ号」は妻がネットで見つけました。

3.ジパング倶楽部で利用しづらくなった新幹線
 今回は行きは広島まで「のぞみ号」で行きました。
 「のぞみ」の特急券はジパング倶楽部での割引はありません。「ひかり」で行きたかったのですが、ひかりは岡山までしか行きません。割引で行きたければ、岡山まで「ひかり」で行き、「さくら」に乗り換えるしかないのです。それでは時間がかかりすぎます。結局東京駅9時30分発の「のぞみ」で行くことにしました。
 新幹線は最初は「ひかり」と「こだま」の2系統でした。ジパング倶楽部の割引で広島まで行けました。ところが「のぞみ」が生まれ、今や新幹線の主力になりました。「ひかり」は岡山どまり、本数も少なくなりました。
 帰りは岡山からだったので「ひかり」に乗ることができました。ところが「ひかり」は大変ストレスがたまる列車になっています。途中の駅で「のぞみ」を先に行かせるために何回も何分も停車するのです。以前の「ひかり」より、かなり遅くなってしまいました。
 岡山発15時21分の「ひかり476号」に乗りましたが、途中4〜5台の「のぞみ」に抜かれました。そのたびごとに5分程度停車しました。「ひかり」は「のぞみ」が生まれる前の「こだま」になってしまったのです。

4.満潮時と干潮時の厳島神社
 厳島神社にはいくつかの顔がありました。
 以前行った時は満潮で神社の回廊の下に潮が満ちていて、まるで水に浮かぶ神社でした。青空と青い海と緑の島と赤い神社が神秘的なコントラストを見せていて、これぞ世界遺産だと立ち去りがたい思いをしたのを覚えています。
 今回は干潮の厳島神社でした。大鳥居の下まで歩いて行くことができました。大鳥居の下の方の潮につかる部分には貝殻がついていて、そこに来た人がコインをつめていました。コインは潮が満ちると下に落ちるらしく、大鳥居の根本はコインで埋まっていました。
 水の引いた神社の方はやや殺風景な感じでした。やはり厳島神社は水に浮かんでいる風景が様になります。
 今回は夕暮れ時の大鳥居と夜ライトアップされた大鳥居も見ることができました。どの時間でもその時に応じた美しさと神々しさを見せてくれました。
 2日目はゆっくり時間があったので、五重塔と千畳閣にも行きました。千畳閣は厳島神社の歴史を感じさせてくれる建物でした。
 1日目にはロープウェイを乗り継いで獅子岩まで登りました。弥山まで行くには時間が遅かったので、獅子岩展望台から瀬戸内海の島々の眺めを楽しみました。紅葉も見事でした。

5.目立った外国人観光客
 宮島と道後温泉と金刀比羅宮には外国からの観光客が大勢訪れていました。
 東日本大震災の直後、浅草に行った時外国からの観光客がいなくなって、あまりの静けさに驚きましたが、今年は今までで外国からの観光客が最も多い年になったようです。
 ただ、中国と韓国からは日本との関係の悪さを反映して減っていると報道されています。
 宮島で6人乗りのロープウェイで同乗したのはアメリカからの男女でした。宮島は世界遺産だけあって外国人もいろいろな国から来ているように感じました。
 中国語を話す団体がいたので聞いたら台湾の観光客でした。金刀比羅宮でも中国語が聞こえました。おそらく台湾の団体客だったのでしょう。夏に黒部アルペンルートでずっと一緒だった団体も、台湾から来たと言っていました。
 中国人の団体は大声で騒ぐのですぐ分かります。マナーはあまりよくありませんが、気さくな感じです。遠来のお客様です。「おもてなし」の精神で歓迎することが大切だと思います。

6.ジェットフォイルとスーパージェット
 広島港から松山観光港まで高速船に乗りました。昨年11月に小豆島から高松に渡るときも高速船に乗りました。
 ところが4年前に乗った新潟と佐渡の間の高速船や昨年利用した大島と下田の間の高速船と比べると、何か違います。同じ高速船でも遅い感じがするのです。
 家に帰ってネットで調べてみました。やはり違いがありました。何よりも速度が違います。
 広島−松山間の高速船はスーパージェットと呼ばれています。
・日立造船製
・189トン
・時速32ノット(約60km)
・153人乗り

 新潟−佐渡間や大島−下田間の高速船はジェットフォイルと呼ばれています。
・ボーイング社開発、川崎重工製
・267トン
・時速45ノット(約83km)
・260人乗り

 ジェットフォイルはウォータージェット推進の水中翼船なのです。船の前方に速度の表示板がありました。
 瀬戸内海にはジェットフォイルを使っている航路はありませんでした。理由は分かりませんが、航路の長さや複雑さ、乗客数、島の多さ、すれ違う船の数、運航費用などがあるかもしれません。

7.松山観光の目玉
 松山は私の地元です。妻も松山には何度も訪ねています。いまさら観光はないので松山観光港からリムジンバスで道後温泉に直行しました。
 降りたところに観光用の坊っちゃん列車が停まっていました。妻がカメラに収めました。
 宿舎の椿館に行く途中で有名な道後温泉本館の前を通りました。これも写真に撮ってもらいました。
 松山には道後温泉以外にも見どころがいくつもあります。
 松山城は日本に10しか残っていない、築城以来の木造の城の1つです。小高い山の上にあり、ここから市内をはじめ道後平野や瀬戸内海が見渡せます。桜の名所でもあります。
 夏目漱石や正岡子規に関する名所や司馬遼太郎の「坂の上の雲」に由来する名所もあります。
 四国八十八か所の札所のお寺も数多くあります。

松山の坊っちゃん号の観光路面電車

道後温泉本館
(画像のクリックで拡大表示)

8.楽だった金刀比羅宮の階段
 旅の最後は高松に泊まって金刀比羅宮参拝でした。こんぴらさんに行くと言った時、「こんぴらさんは石段がきついからばてないようにね」と忠告してくれる人がいました。
 妻は楽に登れる方法はないかとネットで探し、「参拝登山バスしあわせ号」を見つけました。785段ある石段の365段目にある大門の高さまでバスで運んでくれるのです。1人500円で、JR琴平駅から利用できます。参道を歩く必要もありませんでした。
 大門からは残り420段、ゆっくり上りました。
 御本宮手前の石段はきつかったですが、思いのほか簡単に御本宮に到着しました。ちょっとあっけない感じでした。
 御本宮のそばから讃岐平野のすばらしい眺望が楽しめました。讃岐富士も見事でした。

御本宮直前の石段

讃岐富士
(画像のクリックで拡大表示)
 こんぴらさんは海の神様です。絵馬殿は船の写真でいっぱいでした。また堀江謙一氏が1996年に太平洋を横断したときのモルツマーメイドが飾られていました。
 帰りは自分の足で最後まで降りました。転ばないよう気をつけながら慎重に下りました。
 途中で甘酒を楽しんだり、買い物をしたり、最後の讃岐うどんをいただいたりしながら、こんぴら参りを満喫しました。
 それでも参拝登山バスを利用したので、琴平駅で1時間ほど時間をつぶす必要がありました。

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