今月は久方ぶりに手賀沼通信ブログからの抜粋をお届けします。

「手賀沼通信ブログ」抜粋

大村智氏、梶田隆章氏が2日連続でノーベル賞受賞(NO.852)(平成27年10月7日)

 平成27年10月5日大村智・北里大学特別栄誉教授が2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞することになりました。
 日本人の受賞者は昨年の赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏に続いて23人目となります。また生理学・医学賞は1987年の利根川進氏、2012年の山中伸弥氏に続いて3人目です。
 受賞理由は「寄生虫病の新たな治療に関する発見」で、米ドリュー大学のウィリアム・キャンベル博士と同じ理由です。
 大村氏は、抗寄生虫薬「イベルメクチン」のもとになる物質を発見。途上国の寄生虫病患者に年1,2回投与することで、失明を防ぐ薬の開発につなげた業績が高く評価されました。イベルメクチンは年間2億人以上に投与されています。
 翌10月6日には梶田隆章・東京大学宇宙線研究所所長がノーベル物理学賞を受賞することになりました。
 これで日本人の受賞者は前日の大村智氏に続き24人目、物理学賞は昨年の3氏に続き、2年連続で11人目となりました。
 受賞理由は「ニュートリノが質量をもつことを示すニュートリノ振動の発見」です。従来はニュートリノに質量はないとしていた素粒子理論を書き換えるものです。
 2日連続で日本人がノーベル賞を受賞することになったのは大きな喜びです。ただ読売新聞の社説では2人の受賞をたたえながら、最後をこう結んでいました。
 「近年、日本の科学研究の地盤沈下が目立つ。次の世代が育っていないためだ。研究論文数は伸び悩んでいる。ダブル受賞は多くの研究者の刺激となるに違いない。若い研究者たちには、さらなる高みを目指してもらいたい。」

2015年日本10大ニュース(NO.873)(平成27年12月20日)

 平成27年12月20日、読売新聞の読者が選んだ「2015年日本10大ニュース」が決まりました。
1 大村さん、梶田さんノーベル賞
2 ラグビーW杯日本3勝
3 「イスラム国」日本人殺害
4 マイナンバー始まる
5 関東・東北豪雨8人死亡
6 安全保障関連法が成立
7 北陸新幹線開業
8 建物の杭データ偽装
9 TPP大筋合意
10 東京五輪エンブレム撤回
 読売新聞が用意した65項目から10項目を選んで応募する方法です。有効応募総数は昨年の9884通より大幅に増えて10767通でした。
 10項目的中者は昨年の89人から大幅に減って4人でした。今年は重大なニュースが多く、投票が散らばったようです。今年は6項目の的中者が一番多く、24.8%でした。
 私も投票しました。今回は今までで最低の的中率で、6項目しか的中しませんでした。

2015年海外10大ニュース(NO.874)(平成27年12月21日)

平成27年12月21日、読売新聞の読者が選んだ「2015年海外10大ニュース」が決まりました。
1 パリ同時テロ130人死亡
2 ネパール大地震9000人死亡
3 米・キューバ国交回復
4 欧州で難民急増
5 ミャンマー総選挙NDLが圧勝
6 独VW排ガス不正
7 英ウィリアム王子長女誕生
8 FIFA汚職疑惑
9 仏新聞社で銃撃テロ
10 ギリシャ「反緊縮」政権ユーロ危機深刻化
 読売新聞が用意した51項目から10項目を選んで応募する方法です。有効応募総数は昨年の6348通より大幅に増えて7507通でした。
 10項目的中者は昨年の137人から大幅に減って2人でした。今年は重大なニュースが多く、投票が散らばったようです。今年は6項目の的中者が一番多く、27.9%でした。
 私も投票しました。昨年は9項目的中しましたが、今回は最低の的中率で、6項目しか的中しませんでした。

スポーツ界での恥ずべき2つの行為(NO.864)(平成27年11月14日)

 日本のプロ野球界とロシア陸連で2つの恥ずべき行為が発覚しました。
1.プロ野球巨人軍の3選手の野球賭博
 平成27年11月10日、日本プロ野球の熊崎コミッショナーは巨人軍の福田聡志、笠原将生、松本竜也の3投手を、野球協約180条に基づき無期の失格処分とする裁定を出しました。そして巨人軍に対しては制裁金1000万円を科しました。
 これを受け巨人軍は3選手との契約を解除しました。
 3選手はプロ野球、高校野球、マージャンなどで10試合から30試合でかけをし、賭博行為を行っていました。3選手の賭博相手の2人は野球賭/博常習者と言われています。3選手らは球場のロッカールームで金銭をかけてトランプをしていたとも報道されています。
 ほかの選手や監督やコーチや球団の職員などはそのようなことが行われていたことを知らなかったのでしょうか。ちょっと信じられません。
 巨人の選手は「球界の紳士たれ」と言われて、ひげを伸ばしたり、長髪にしたりするのを禁じられています。
 巨人を長年応援していたファンとしては裏切られた感じです。
 巨人は賭博行為が発覚したあと、クライマックスシリーズに出ました。もしこれが高校野球なら一定期間試合停止になります。
 球団代表が引責辞任したり、ナベツネ最高顧問他、数名の役員が役員報酬を全額または50%を一定期間返上したりしていますが、球団をあげて信頼回復に全力を尽くしてほしいと思います。

2.ロシアが国ぐるみでドーピングの疑惑
 平成27年11月9日世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会が、ロシアが国ぐるみでドーピングを行っていたとする調査報告書の全容を明らかにしました。
 国際陸上競技連盟(IAAF)はロシア陸連の事情聴取に乗り出し、結果によっては来年8月のリオデジャネイロオリンピックの陸上競技に、ロシア選手が出場できない可能性があります。
 WADAは10日、モスクワにあるWADA公認検査機関の公認を取り消しました。
 報告書によると、昨年2月に行われたソチオリンピックから同機関の責任者を務めていたロドチェンコ氏らが組織的ドーピングの中心的役割を担っており、陽性反応を隠ぺいする見返りとして選手に金銭を要求していたとされています。
 ロシアのムトコ・スポーツ相はロドチェンコ氏を解任しましたが、スポーツ省の関与については触れていません。
 プーチン大統領はドーピングは個人の責任であり、政府は関与していない、ドーピングに関係ない選手はオリンピックに参加させるべきだと述べました。
 真相がどこまで明らかにされるかわかりませんが、スポーツ界への影響は大きく、断固とした処分がなされるべきと考えます。

ロシアがソチオリンピックでもドーピングか(NO.914)(平成28年5月14日)

 平成28年5月13日の読売新聞の夕刊に、「ソチ五輪露15メダリスト薬物疑惑」という見出しで、ロシアがソチオリンピックでも組織的なドーピングを行っていたのではないかと、アメリカニューヨークタイムスが報じたという記事がでていました。
 昨年11月9日に世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会の調査報告書でも、ロシア陸連が国ぐるみでドーピングを行っていたと報じられました。
 その結果、国際陸連は昨年11月にロシア陸連を資格停止処分、ロシアの陸上選手がリオデジャネイロオリンピックに出られるかどうかは、6月の国際陸連理事会で判断されることになっています。
 昨年11月にはロシアのムトコ・スポーツ相は、当時モスクワでWADA公認検査機関の責任者を務めていたロドチェンコ氏を解任しました。
 今回のソチオリンピックのドーピング疑惑はその解任されたロドチェンコ氏がニューヨークタイムスで告発したわけです。やった当人が告発したのですから、まず間違いないでしょう。
 ロシアのムトコスポーツ相とぺスコフ大統領補佐官は全く根拠がないと否定しています。
 ロシアはバンクーバーオリンピックではメダルは金3個を含む15個でした。ソチでは金13個を含む33個と急増しています。
 WADAのリーディー会長は調査することを表明しています。
 国ぐるみのドーピングは西ドイツに統合される前の東ドイツで常態化していました。
 また組織ぐるみのドーピングは中国女子陸上の馬軍団がやったことが有名です。
 おそらくロシアもソチオリンピックの威信をかけてドーピングに手を染めたのではないでしょうか。

(後日談)リオ・オリンピックではロシアは当初389人の選手の出場が予定されていましたが、陸上競技の全員を含む118人の選手が出場を認められず271人の参加となりました。
 リオ・パラリンピックではIPCはロシア・パラリンピック委員会を資格停止処分とし、ロシア選手は全員参加できなくなりました。

我孫子市に寄贈された「禎子鶴」(NO.882)(平成28年1月23日)

 2015年12月、広島市のNPO法人SADAKO LEGACYより、我孫子市に「禎子鶴」が寄贈されました。
(画像のクリックで拡大表示)

 その鶴は我孫子市のアビスタの1階フロアに展示されています。鶴の両側には鶴と一緒に寄せられた寄贈メッセージと、鶴をいただいた我孫子市のメッセージが掲げられています。

 「禎子鶴」寄贈メッセージ
 この小さな折り鶴は、広島の平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルになっている折り鶴の少女「佐々木禎子(ささきさだこ)」が実際に折った折り鶴です。
 1945年8月6日、広島に投下された原子爆弾によって当時2歳だった禎子は、爆心地から1.6kmの自宅で被爆し、その10年後の12歳の時に突然白血病を発病しました。
 その闘病中に千羽鶴と出会い、「鶴を千羽折れば願いが叶う」という言い伝えを知り、来る日も来る日も折り鶴を続けたのですが、願いは届かず12歳という若さで天国へ行ってしまったのです。
 この闘病中に折った一羽の折り鶴には、そんな禎子の肉体的な痛みや精神的な苦しみに必死に耐え抜いた頑張りや、残された家族の事を気遣う想いやりの心や、絶望の中でも一筋の光を追い求める希望などが込められていますので、少しでも禎子の心に触れて頂き、禎子を含めた、志半ばで道を断たれた多くの命を忘れずに、あのような悲劇を二度度繰り返さぬという平和のメッセージが、この折り鶴を通じて、皆様の心に届きますことを心より願っております。
NPO法人SADAKO LEGACY
佐々木雅弘(禎子の兄)
   祐滋(禎子の甥)

 我孫子市のメッセージ
 戦争や原爆は、罪のない人々から多くの尊い命を奪います。子どもたちの命を奪い、家族を奪い、未来や夢を奪っていきます。
 我孫子市は、1985(昭和60)年に平和都市を宣言し、手賀沼公園に「平和の記念碑」を設置して平和祈念式典を開催しています。2005(平成17)年からは被爆地である広島に、2009(平成21)年からは長崎にも中学生を派遣し、原爆の悲惨さや平和の尊さを若い世代に知ってもらう取り組みを続けています。
 そして、戦後70年・平和都市宣言30年に当たる2015(平成27)年、「平和の記念碑」横に「平和の灯」を設置し、広島平和記念公園にある「平和の灯」から分火をうけた火を点火して、世界に核兵器がなくなるまで灯し続けることとしました。
 禎子さんの兄の佐々木雅弘さん、禎子さんの甥の佐々木祐滋さんは、こうした我孫子市の取り組みを知り、禎子さんが折った貴重な折り鶴を寄贈してくださいました。
 寄贈された禎子鶴をここに展示し、戦争や原爆の悲惨さ、平和の大切さを次の世に伝えていきます。
寄贈日 2015(平成27)年12月6日                      我孫子市

「居眠り磐音」シリーズが完結した(NO.898)(平成28年3月19日)

 平成28年3月18日、佐伯泰英の「居眠り磐緒 江戸双紙51 旅立ノ朝」を読み終わりました。
 佐伯泰英の小説中で一番長いシリーズがこれで完結しました。作者は50巻でおしまいにするつもりでしたが、ストーリーの展開上51巻にせざるを得ないと、49巻のあとがきに書いています。
 51巻のあとがきには作者はこう記していました。
 「『居眠り磐音 江戸双紙』51巻を書き終えた二月前、何の感慨もなかった。だが、初稿の校正を済ませたとき、
 『やはり終わったんだ』
 という感慨が胸の奥からじんわりと滲み出てきた。
 磐音とともに旅した15年であった。幸せで多忙で充実した歳月であったと思う。
(中略)
 シリーズをスタートして4、5年たった頃か、『50巻』を目標にという大風呂敷を広げた。すると磐音が作者の願いにこたえて動き出した。あとは哀しみも喜びも苦しみもともに分かち合う日々であった。出会いがあり、別れがあった。51巻の総登場人物はいったい何人になるのであろう。何百人か、何千人か。
 (後略)」
 私が佐伯泰英の本を読みだしたのは約9年前の平成19年7月です。
 そのときは図書館にあるいろいろなシリーズを順番を無視して手当たり次第に読みました。1冊ごとに完結するからです。しかし前後関係を無視して読むと当然のことながら登場人物の成長がおかしくなります。
 平成22年からは図書館で順番通りに予約して読むようにしました。予約して読むのは待ち時間がかかります。今回の「居眠り磐緒 旅立ノ朝」は予約してから手に入れるまで1か月以上かかりました。
 今までに佐伯泰英の本は222冊読んでいます。ほぼ著作のすべてではないかと思います。
 佐伯泰英は現在74歳、9シリーズを作り、そのうちの7シリーズを完結させました。ただその中の2シリーズは「新」と名付けて新しく展開させています。
 現在書き続けているシリーズは、「鎌倉河岸捕物控(27巻)」、「吉原裏同心(23巻)」「新・酔いどれ小藤次(3巻)」「新・古着屋総兵衛(11巻)」の4シリーズです。
 作者としては残りの人生をこの4シリーズに集中させたいと考えているのではないかと思います。とにかく読者を楽しませたいとサービス満点、どのシリーズもすべて面白い作品ばかりです。
 私のほうが5歳年上なので、作者が筆を折らない限り読み続けられると思います。私のほうが読めなくなるまで楽しませてもらいたいと願っています。

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