今月は屋久島の旅行記と日本の世界遺産です。

屋久島の旅

 平成29年4月10日から12日まで阪急交通社の「屋久島内のデラックスホテルに連泊 屋久島紀行 3日間」というツアーに妻と参加しました。
 今回のツアーは申込時にすべての出発日の催行が確定しており、1名だけの参加でも催行されるという事になっていました。ホテルについて9名の参加者ということが判りました。
 観光は9名がジャンボタクシーでまわりました。ジャンボタクシーのドライバーがガイド役を兼ねていました。

参考資料:NETの各サイト
       屋久島各施設のパンフレットなど

1.2年連続の航空機トラブルと‘つき’
 昨年4月に長崎に旅行した時、出発時に悪天候のため航空機が飛ぶかどうか、飛んでも目的地の長崎空港に降りれるかどうかというトラブルに遭いました。前の2便は欠航でした。怖い思いをしながらも何とか長崎空港に着くことが出来ました。ラッキーでした。
 今回も天候に悩まされました。
 4月10日、東京は晴れでしたが鹿児島は風雨が強い状態でした。13時20分羽田発のJALは問題なく15時15分鹿児島空港に到着しました。そこでJAC(ジャパンエアコミューター)のプロペラ機に乗り継ぐことになっていました。
 ところが17時発のJAC便は「天候調査中」となっていました。JALのサービスカウンターに行って問い合わせたところ、「今日の前2便は欠航しました。17時の便は飛べるかどうか調査中です。欠航の恐れもあります。明日の1便と2便は満席です」という返事です。
 阪急交通社からもらった「最終旅行日程表」には、鹿児島空港で屋久島便が飛ばなかった場合の指示は何も書かれていません。添乗員がついていればいいのですが、このツアーには添乗員がついていないのです。空港待合室には阪急交通社の人もいませんでした。阪急交通社に何度電話しても話し中でした。
 途方に暮れて、当日泊まるはずのホテルに電話し、そこで紹介された翌日利用する観光バス会社に連絡して、阪急交通社に連絡を依頼しました。ところが妻のスマホに東京の阪急交通社から電話が入りました。「係員が空港待合室の外で待機しているから、17時のJAC便が飛ばないときは鹿児島のホテルに案内します」とのことでした。なぜそのことを前もって「最終日程表」に書いてないのかと腹が立ちましたが、とりあえ
(画像のクリックで拡大表示)
ず安堵しました。
 ところが17時の便が出たのです。雨と強風のため、数十メートル先のタラップまでバスに載せられました。ただ、「屋久島空港に降りられないときは引き返します」との条件付きでした。
 飛行時間は約30分、揺れ続けました。ところが屋久島空港は鹿児島空港より風雨が収まっていました。無事着陸し、ジャンボタクシーで「JRホテル屋久島」に着きました。
 やはり今年も「つき」に恵まれたのです。ツアーが羽田集合12時半、出発13時20分という遅い時間出発が「つき」を呼んだのかもしれません。

2.なぜ屋久島が世界自然遺産になったか
 日本がユネスコの世界遺産に初めて登録されたのは1993年12月のことです。
 自然遺産として屋久島、白神山地、文化遺産として法隆寺地域の仏教建造物、姫路城の4か所が世界遺産となりました。

 屋久島が世界遺産に登録された理由は2つあります。
 ひとつは樹齢1000年を超える屋久杉が美しい自然景観を生み出していることです。
 ふたつは亜熱帯植物から亜寒帯植物が海岸線から山頂へと連続的に分布する植生の垂直分布が見られることです。
 平均気温20度の屋久島の気候から、標高1900メートルの地帯の札幌の平均気温8度の気候まで、いろいろな植生が見られることです。これはほかでは見られません。
 また世界自然遺産登録当時、ユネスコ世界遺産センターのドロステ所長は、「自然遺産としての屋久島の価値は、多くの人たちが暮らしていながら、すぐれた自然が残されていることにある。」と語っています。
 屋久島だけの植物の固有種が約40種発見されています。
 この評価基準からもわかるように、世界自然遺産に登録されている範囲は縄文杉周辺だけではなく、屋久島の面積の21%になります。また島の西部沿岸部にある西部林道は、世界遺産エリアに入ることができる唯一の車道です。

3.屋久島の豊かな自然
(1)山の島
 屋久島は島の90%が森林という山の島です。島のほぼ中央にある宮之浦岳は標高1936メートル、九州の最高峰です。また日本最南端の日本百名山です。1500メートルを超える山が20座あり、九州の標高の高い上位7つの山が屋久島にあります。
 今回、島を1周する道路を回りましたが、宮之浦岳はどこからも見ることはできませんでした。宮之浦岳の周りを高い山が囲んでいるからです。日本最北端の百名山の利尻島の利尻岳が島内の道路から見えるのと好対照です。
 屋久島は円形に近い5角形をしており、近くにある細長い種子島と好対照です。なお種子島で最も高いところは282メートルとのことです。
 屋久島は淡路島よりやや小さく全国で7番目の大きさの島です。人が住んでいるのは主に海岸線にそった場所で、そこを島を1周する車道が通っています。島の人口は面積の小さい種子島の半分以下で約1万3千人です。

(2)屋久杉と苔の島
 屋久島を代表する植物は屋久杉です。有名な縄文杉は樹齢3000年以上とか7200年とか言われますが、定かではありません。
 縄文杉までは登山口から5時間かかります。とても今の体力では行くことはできません。時間も足りません。縄文杉見物は最初から観光には入っていませんでした。
 私たちが色々な屋久杉を眺めたのは、白谷雲水峡とヤクスギランドでした。ここも大きな屋久杉の宝庫でした。
 ヤクスギランドの千年杉です。
(画像のクリックで拡大表示)
 屋久杉はほかの杉と比べて脂分を多く含んでいます。そこに苔が生えます。白谷雲水峡ではいろいろなコケを見ることが出来ました。
 この苔に屋久杉やその他いろいろな植物の種が根付きそこから次の世代の植物が育ちます。屋久杉の倒木の上に小さな屋久杉が芽を吹いていました。
 また苔は水分をふんだんに含んでいてそれが屋久島の豊かな水源を生んでいます。
 縄文杉に行けない代わりに紀元杉を見に行きました。ヤクスギランドから30分ほどのところに紀元杉が立っていました。道路のすぐそばです。樹齢3000年の標識が立っていました。

(3)雨と水の島
 屋久島は「ひと月に35日雨が降る」というくらい雨の多い島です。年間降水量は東京都の3倍です。
 また宮之浦岳などの標高の高い山には冬期間雪が積もります。屋久島は日本国内で積雪が観測される最南端の場所になります。
 屋久島の案内書にはレインウェアを持参するよう書かれていましたので、私たちも100円ショップで売っている雨具ではなく、しっかりしたレインウェアを持っていきました。でも使わずに済みました。
 着いた当日は雨で、翌日も朝起きたときは風雨が強くどうなるかと心配しましたが、午前10時前に雨がやみ、曇り空での観光でした。最終日は快晴に恵まれました。
 険しい地形と多くの雨は水量の多い滝となって流れ下ります。私たちは2つの滝に行きました。
 千尋の滝です。巨大な花崗岩の一枚岩を流れ落ちる滝で、千人が手を広げるほど大きいということからこの名が付きました。
(画像のクリックで拡大表示)
 大川(おおこ)の滝は日本の滝100選にも選ばれました。落差88メートルを誇り、険しい岩肌を滑り落ちる姿は、迫力満点です。滝壺のそばまで近づけて、一帯には水しぶきが巻き上がっていました。
 屋久島はインパクトの強い島でした。

日本の世界遺産

 今回屋久島という世界遺産に行ったのを機会に、日本の世界遺産について調べてみました。年月は登録時期で登録順に並べています。
 日本の世界遺産には16の文化遺産と4つの自然遺産があります。さらに1つの文化遺産がユネスコの諮問機関より勧告されています。
 最近登録されるものは、独断ですが、知名度が低いというかちょっと小粒になった感じです。

1.文化遺産
(1)法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)1993年12月登録(以下登録文字は省略)
 法隆寺に最初に行ったのは中学校の修学旅行でした。その後家族旅行で2度行きました。
(2)姫路城(兵庫県)1993年12月
 最初に行ったのは学生時代です。その後改修工事前と改修後にツアーで1度ずつ行きました。
(3)古都京都の文化財(京都府、滋賀県)1994年12月
 最初は中学校の修学旅行、その後は個人や家族やグループで10回くらい行っています。
(4)白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県、富山県)1995年12月
 白川郷は2010年にツアーで行きました。五箇山には行ったことがありません。
(5)原爆ドーム(広島県)1996年12月
 2009年にツアーで行きました。
(6)厳島神社(広島県)1996年12月
 小学校にあがる前に祖母と、2009年にツアーで、2013年に家族旅行で行きました。
(7)古都奈良の文化財(奈良県)1998年12月 
 最初は修学旅行で、2007年には家族旅行で行きました。
(8)日光の社寺(栃木県)1999年12月
 最初は高校の修学旅行で、その後は家族旅行で何度か行きました。
(9)琉球王国のグスクおよび関連遺産群(沖縄県)2000年12月
 1981年と2007年にツアーで行きました。
(10)紀伊山地の霊場と参詣道(奈良県、和歌山県、三重県)2004年7月
 吉野へは家族旅行で、高野山へはグループ旅行で行きました。熊野古道へは行ったことがありません。
(11)石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県)2007年6月
 文化遺産ではここだけが行ったことがありません。
(12)平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(岩手県)2011年6月
 1976年仙台赴任中に家族旅行で、2014年にツアーで行きました。
(13)富士山−信仰の対象と芸術の源泉(山梨県、静岡県)2013年6月
 富士山は学生時代に登りました。その後は家族旅行やグループ旅行で5合目までや周辺を回りました。
(14)富岡製糸場と絹産業遺跡群(群馬県)2014年6月
 2015年に日帰りバスツアーで行きました。
(15)明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児
  島県、山口県、岩手県、静岡県)2015年7月

 世界遺産を意識して行ったのは2016年に行ったツアーです。世界遺産登録前にはあちらこちらと何度か行きました。
(16)ル・コルビュジェの建築作品−近代建築への顕著な貢献−(国立西洋美術館=東京都)2016年7
  月

 国立西洋美術館へは何度か行きました。世界遺産登録後は行っていません。

2.自然遺産
(1)屋久島(鹿児島県)1993年12月
 この手賀沼通信で書いた通り、2017年にツアーで行きました。世界遺産へは最も直近の旅行です。
(2)白神山地(青森県、秋田県)1993年12月
 近くは何度か通りましたが、世界遺産の白神山地は行ったことがありません。
(3)知床(北海道)2005年7月
 1989年の最初の北海道旅行と、2016年と2回ツアーで行きました。
(4)小笠原諸島(東京都)2011年6月
 小笠原諸島へは行ったことがありません。

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