先月投稿をいただいた家田様から今月も本についてのご寄稿をいただきました。家田様は89歳の高齢ながら、あけぼの会の会長や同期会などの世話役で活躍されています。
 元の会社の同僚の大野さんからはホームページ作りの投稿をいただきました。大野さんは地元でボランティアをされながら、絵画や俳句などを楽しんでいます。
 お二人ともありがとうございました。

西山耕一郎著「肺炎がいやならのどを鍛えなさい」ご紹介     家田 和利 89歳

 西山博士(60)は北里大学医学部を卒業、附属病院、その他で耳鼻咽喉科・頸部外科医として30万人の患者を診たが、「病後の誤嚥性肺炎の危険性」を経験したのをきっかけに、「嚥下治療」を専門分野に、それ等の人命を救おうと決意。横浜に医院を開設、30年間で約1万人の嚥下治療患者の治療を行って居る。

 この本の「はじめに」で同氏の質問、健康長寿を実現する為に、最も衰えさせてはいけない体の機能は何でしょう。足腰の筋肉(衰えて歩行困難となれば、寝たきりに)、血管(高血圧、高血糖で脳、心臓に重大な病気が)。それ等も大事ですが衰えさせてはいけない機能は「食べ物を飲み込む力、嚥下機能」です。
 生き物は食べ物を食べてエネルギーを取り込まねば生きて行く事が出来ません。私達人間は、日々その行動を極く当たり前の事として行って居ます。動物は食べられなくなれば即ち「死」です。人間には「胃ろう」がありますが、金も掛かり寝たきりとなり、人間の尊厳を失い生きて居る楽しみがなくなります。
 飲み込む力が衰えて来ると屡々「誤嚥」が起こり、食べた物が食道ではなく、気管や肺の方に行って了う。それに依って炎症が起こり「誤嚥性肺炎」が発生し、これが「命取り」となり、肺炎は日本人の死亡原因の第3位になりました。
 日本人の死亡原因は嘗ては長年に亘り1位癌、2位心臓疾患(主に心筋梗塞)、3位脳血管疾患(主に脳卒中)が、不動のトップ3でした。が、2011年(平成23年)に肺炎の死亡者数が脳血管疾患を追い抜いて第3位になり、その座をキープした儘現在に至り、肺炎で亡くなる人の増加が社会問題化し始めました。

 どうして肺炎死者数がこんなに増えて居るのか「誤嚥性肺炎」で命を落とす高齢者が多くなったせいです。つまり飲み込む力を衰えさせて了った為に誤嚥を起こし肺炎をこじらせて亡くなるケースが非常に増えて居る訳です。特に70代以上の高齢者の場合は、飲み込む力をどれ丈キープ出来るかが寿命を決定するカギでしょう。併しこれは決して高齢者丈の問題でなく、実は40代、50代辺りから徐々に低下し、実際に30代から誤嚥が始まった報告もあり、嚥下機能は高齢になってから急に衰える訳ではないのです。
 「最近、食事中によくムセルようになった」「食後、ガラガラ声になる事がある」「薬、サプルメント等、大きな錠剤を飲み込みづらくなった」「時々自分の唾液で咳き込む事がある」「痰がからまる様になった」「以前よりも食事に時間が掛かるようになった」これ等は飲み込む力が衰えて居る証拠かも知れません。
 「食べ物を飲み込む」行為は僅か0.8秒と言う一瞬の中に行われます。その0.8秒の中に「喉頭上げる」「気管の入り口を閉じる」「食道を開く」「食べ物を食道へ送り込む」と言う絶妙な連携プレーが成立して居るのです。この“超絶ワザ”の様な連携プレーは、ほんの一寸でもタイミングがズレると巧く行きません。一つのプレーが僅かでも遅れれば、食べ物が気管へ入ってムセたり咳き込んだりする事に繋がって了います。そうしたタイミングのズレや反応の遅れは40代、50代辺りから起こって居る事なのです。つまりそう言う「小さなズレ」や「反応の遅れ」が時が経つ中に少しずつ大きくなり、高齢になると共に徐々に飲み込みに支障が出るようになって,嚥下障害へと発展して行く訳です。

 のど(喉頭)は喉頭蓋と言う“のどのフタ”を分岐点として食道と気管と言う二つの道に分かれて居ます。当然、飲食物は食道へ、空気は気管へ行く訳ですが、のどの機能が落ちて来ると、本来食道に入るべき飲食物が誤って「別の入り口(気管)」へ入って行って了う訳です。
 飲食物が“気管へ入りかけた”丈では誤嚥とは呼びません。食べ物が気管方向へ入ったとしても、それが入り口近くの声帯より上に止まって居る場合は「喉頭流入(喉頭侵入)」と呼ばれます。この喉頭流入の段階では、勢いよくムセたり咳き込んだりすれば内容物が戻る事が殆どであり、大きなトラブルに繋がる事はありません。但し、しょっちゅう喉頭流入があってムセて居るようなら、それは“のどの機能が老化して居るサイン”。こうしたサインを無視して放って居れば、何れ誤嚥を起こすようになって行きます。
 飲み込み力が落ちて来ると「見た目」にも明らかなサインが現われます。実は「のど仏」の位置が下がって来るのです。若い頃は可なり上の方にあったのが、歳を重ねノドの力が衰えると共に少しずつ下がって行き、あゝ言う位置になって了ったのです。「のど仏」は正式には「甲状軟骨の喉頭隆起」と言い、男性の様に出っ張った突起部分はないですが、女性にもちゃんと備わって居ます。
 何故下がって来るのか、それはのど仏を吊り下げて居る筋肉や腱が衰えて来るからです。ごっくんと食べ物を飲み込む時に、のど仏(喉頭)が上下する動きは“喉頭拳上筋群”と呼ばれる筋肉がのど仏を引っ張り上げたり下したりする事で成立して居ます。のどに於いて「空気」と「食べ物」を仕分ける役割を担って居るのが「喉頭」であり、その喉頭の前に位置するのが「のど仏」です。
 気管と食道の分岐点には喉頭蓋と言う“のどのフタ”がありますが、このフタは呼吸したり声を出したりして居る時は開いて、食べ物を飲み込む時には瞬時にフタを倒れ込ませて気管の入口を塞ぎます。そうする事に依って、食べ物が気管に入らないようにして居る訳です。この“のどのフタ”を塞ぐ際、喉頭は全体に上前方へせり上がります。食べ物を飲み込むと同時に、ぐっと上へ移動してフタを閉めると言う動きをして居るのです。
 そして、この時に喉頭を引っ張り上げて居るのが、のど仏の筋肉である喉頭挙上筋群と言う訳。食べ物をごっくんと飲み込む度に、のど仏の筋肉が“よっこらせ”と喉頭を引っ張り上げてフタを塞いで居るのです。
 処が歳をとると、こののど仏の筋肉が少しずつ衰えて来るので、喉頭を上げる力も下がって来るし、喉頭の位置も全体に下がって来ます。又、筋肉の支える力が落ちて来ると、外から見てものど仏の位置が下がって来て居るのが分かります。そして、この様に喉頭の位置が下がって来て了うと“のどのフタ”が閉まり難くなり、誤嚥が起き易くなるのです。“フタ”が巧く閉まらなくなると、フタの所に出来た隙間から飲食物が気管に侵入して了うようになり、誤嚥が発生する訳です。要するに誤嚥と言うトラブルは「のど仏周りの筋肉の衰えに依って起こる」ものなのです。勿論「反射の衰え」「喉頭の知覚の低下」等、誤嚥を招く要因は他にも色々ありますが、その中でも「のど仏の筋肉の衰え」は最も誤嚥を進ませ易い要因と言っても差し支えありません。
 逆に言えば、のどの機能を低下させない為には「のど仏を上下させる筋肉」を衰えさせない事がカギ。即ち、のどの筋力をキープして「のど仏をスムーズに上下させる機能」「フタの開け閉めをスムーズに行う機能」を如何にキープして行くかが、嚥下機能を守る重要なカギとなる訳です。

 私達の筋肉は中年以降、年々少しずつ減少して居ます。体を動かして居る骨格筋の場合、30代以降、年1%の割合で量が減って居るとされて居ます。10年で10%、20年で20%ですから、高齢になる頃は相当量の筋肉が落ちて居る事になります。(80代で50%)余り筋肉が落ちて了うとサルコペニア(筋肉減少症)となって歩いたり立ったりするのにさえ、支障を来すようになって行きます。
 只、内臓を動かして居る平滑筋の場合は、骨格筋より減少するのが大分遅いとされて居ます。特に内臓の筋肉は衰え難い傾向があり、嚥下機能を司る喉頭拳上筋群(のど仏の筋肉)も、他の筋肉に比べれば可なり衰え難い筈。実際、戦争や飢饉等で歩けない程に筋肉が痩せ細って了ったとしても、食べたり飲み込んだりする筋肉機能は割と衰えない様だが、全く衰えない訳には行かない。
 それに喉頭挙上筋群の衰えと共にのど仏の位置が下がって来るのは、他にも「下がり易い理由」があります。喉頭にはアゴから「宙吊り」されて居る様な構造になって居て、それを喉頭挙上筋群の筋肉や腱が支えて居ますが、この不安定な宙吊り構造の為に、喉頭を支える筋肉が僅かでも衰えて来ると、「引力」に負けて下がって来易いのです。 
 直立二足歩行する人間は、歳をとって筋肉が落ちて来ると様々な部位が引力に負けて垂れたり下がったりして来るのも、それ等を支えて居る筋肉(抗重力筋)が落ちて段々引力に逆らい切れなくなって来る為です。体の筋肉は引力に抵抗するのに結構大きな労力を使って居て、加齢と共に筋肉が衰えると、色んな部分が下垂して来るものです。
 でも、トレーニングすれば、衰えは食い止められると、凡ゆる筋肉は歳をとってからでも鍛える事が出来ると説きます。西山氏はご自身の医療経験から「のど」を鍛えれば寿命は10年延びると言います。@嚥下・・食べ物を飲み込んでエネルギーを取り込むA呼吸・・空気を出し入れし、酸素を取り入れて二酸化炭素を排出するB発声・・声や言葉を出す事に依り、他人や周囲とコミュニケーションをとる、カラオケも宜しい。この3つ共、人間が生命を維持して行く上で、絶対に必要不可欠な事ばかりです。
 実は私自身が食事中、ムセる事がちょいちょいあり、特に酸っぱい物を戴く時に余計そうなります。今は何とかなって居ますが、その中にもっと衰えて、何れ私は誤嚥性肺炎で死ぬなアと思ったものですから、本書を購入、読み始めた処です。本書ではノドの鍛え方を丁寧に紹介して居ますので、ノドのトレーニングを積んで、出来る丈、天寿を全うしたいと願って居ます。

特別寄稿
ホームページづくり −私のビューティフル・エージング−
         大野耕一


 私がかねてからの夢であったヨーロッパ旅行に出かけたのは58歳で、勤務先を早期定年退職した時でした。最初はオーストリアで「音楽の旅」。つぎがイタリアで「巡礼の旅」。3回目はフランスで「美術の旅」、4回目はドイツで「再び音楽の旅」、最後はスイスで「大自然の旅」と、60代のうちに5回の海外旅行を経験しています。
 ヨーロッパの国々を回り、人びとの生活習慣などに触れて、私の人生観は大きく変わりました。在勤中は仕事一筋で会社の仕事が人生のすべてのように思えていましたが、実はそれは人生のほんの一部であって、人間はもっと幅広く、いろいろなことが出来るということを学んだからです。若いうちに体験していれば、人生そのものが変わっていたかもしれません。これらのことを旅行の都度文章にまとめ、100ページ前後の手づくりの旅行記を5冊上梓しました。
5冊の手づくり旅行記
5冊の手づくり旅行記
 地域活動団体の「じゃおクラブ」の中に俳句のグループ「四木会」ができ、そこで俳句を始めたのは64歳の時です。俳句など私にはおよそ縁のないものと思っていましたが、始めてみると、わずか17音で自分の考えや感情が一つの作品になります。その作品を句会に持ち寄り、会員に評価していただきます。良くも悪くも、自分の作品を他人に見ていただくのは、とても励みになります。この魅力に取りつかれて17年が経過し、もう1,000句以上の作品ができました。

 私は高校が上野の東京芸術大学の隣りにあったり、上野には美術館がたくさんあったりしたせいか絵画が好きで、美術館通いは趣味の一つになっていました。定年後は時間ができたので自分でも描いてみようと思い、やはり同じ地域団体の中にあった水彩画グループの「淡水会」に入会しました。70歳の時です。私は横浜が大好きで、建物を中心に横浜の風景を何枚か描いています。最近は、10年以上前に行ったヨーロッパ旅行の写真を探し出しては、懐かしがりながら、その風景を描いています。

黄葉の神奈川県庁
黄葉の神奈川県庁
(画像のクリックで拡大表示)
 旅行記や俳句、水彩画などをできるだけ多くの人に見ていただこうと思い、それらの作品を私のホームページに掲載しました。また、巻頭には「よみがえった大磯の旧吉田茂邸」、「生誕150年の正岡子規」、「休肝日は必要か?」、「新横綱・稀勢の里、春場所の活躍に期待!」等々、日常生活の中で感じたことを1,000字程度にまとめて載せています。結構手間がかかりますが、作業をしている時が一番楽しいので、時間の経つのを忘れるほどです。月1回更新していて、その都度、ご覧になった方々から感想やご意見をいただきます。これがまた嬉しい。ホームページには上記のほかに、雑誌創刊号、サイン本、著名人の絵画作品などの「マイ・コレクション」、自分史に関する「エッセイ」なども載せています。
 こうして私はいま、地域の仲間たちと一緒に好きなことをやる“ビューティフル・エージング”を楽しんでいます。この8月で82歳になったばかりですが、70代、80代はまさに老いの青春だと思います。

余生とは老いの青春爽気かな    耕 一

 最後に、私のホームページのURLを下記しましたので、ご覧いただければ幸いです。
 URL : http://ohno.world.coocan.jp

手賀沼通信ブログ抜粋

2016年海外10大ニュース(NO.978)(平成28年12月24日)

平成28年12月24日、読売新聞の読者が選んだ「2016年海外10大ニュース」が決まりました。

1 米大統領選でトランプ氏勝利
2 英国民投票で「EU離脱」過半数
3 韓国朴大統領、友人女性の国政介入疑惑で窮地に
4 ノーベル文学賞にボブ・ディランさん
5 「パナマ文書」公開で各国に波紋
6 オバマ大統領がキューバ訪問
7 北朝鮮が初の「水爆実験」実施発表
8 ロシアの国主導でドーピング認定
9 ミャンマー新政権発足。
  スー・チー氏は事実上トップの国家顧問に就任
10 キューバのカストロ前議長死去

 読売新聞が用意した11月までの53項目から10項目を選んで応募する方法です。有効応募総数は昨年の7507通より大幅に増えて10046通でした。
 10項目的中者は昨年の2人から少し増えて5人でした。今年も重大なニュースが多く投票が散らばったようです。今年は6項目の的中者が一番多く28.8%でした。
 私も投票しました。5,7の代りに
12 仏でトラック突入テロ
18 タイのプミポン国王死去
 を選びました。8項目の的中でした。

 毎年投票していますが、全項目的中させるのは容易ではありません。今まで9項目的中したのが最高でした。

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